研究課題
本研究は、制御性の悪いダイレクトプラズマを用いるナノプロセス方式から、制御性がよくエネルギーが揃えられた反応性負イオン方式への転換を目的として行われたものである。この新しい方式の原理を実験的に検証するための装置が独自のシミュレーションに基づいて設計・製作された。その装置の平面型プラズマ生成室において、酸素負イオン生成するための電磁場配位、および、電子温度の空間分布が実現された。エネルギーを揃えるためのビーム引き出しパラメーター値がシミュレーションで確立された。また、原子層堆積(ALD)膜を生成する実験に必要な装置運転モードが実験的に確立された。これらにより、原子層堆積膜生成の検証実験の準備が整えられた。IoTデバイス等に用いられる最先端半導体デバイスの製造過程において、微細化と複雑化が進んできている。微細化に関しては、最先端半導体デバイスの最小加工寸法は7 nmになっている。加工寸法の微細化により得られる恩恵は、1チップ当たりのトランジスタの高集積化・高性能化、チップの低消費電力化・低コスト化などが挙げられる。この微細化(スケーリング)による半導体デバイス高性能化により、例えばスマートフォンやPCの高性能化、データサーバーの小型化や大容量化、ビッグデータ解析を背景とした人工知能の普及など、日常生活における利便性の更なる向上が期待できる。微細な加工を可能にするため、ALDなどの原子層プロセスが用いられており、精密な制御が求められている。本挑戦的研究を契機として、これを実現する新しい方式の開発を本格的にスタートできたことが、最大の学術的及び社会的意義である。
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