本研究で提案する速度空間トモグラフィー法は,光渦の励起体積が速度空間で異なる傾きを持って分布することを利用しており,パラメータ掃引を必要としない初めての速度分布関数測定法である.光渦の励起体積の配位はビーム断面内の位置に依存するため,吸収分光に用いると必然的に不均一に吸収される.欠陥構造を持つ光渦は伝搬に伴い構造が回転することが報告されており,不要な伝搬による構造変化を抑えると共に,プラズマ中を伝搬することによる構造変化を正確に観測する必要がある.本研究では,速度空間トモグラフィー法の基礎となる,吸収体を伝搬する光渦の特性を明らかにし,吸収により欠陥構造を持った光渦に対する測定系を構築した.
|