研究課題/領域番号 |
17K18787
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
牧村 俊助 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (10391715)
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研究分担者 |
千葉 晶彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00197617)
能登 裕之 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (50733739)
中野 禅 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究グループ長 (50357646)
佐藤 直子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (00712481)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | タングステン / 積層造形 / 電子ビーム / レーザー |
研究実績の概要 |
電子ビーム積層造形法によるタングステンの製造を目指した開発を進めており、相補的な手法として真空中のレーザー積層造形によるタングステンの製造を目指している。 電子ビーム積層造形法による製造では、積層条件を最適化する事によって直径10mm、高さ10mm程度の円柱の造形に成功した。積層造形品の断面観察によると積層方向に伸びる柱状組織が形成されている。不純物酸素濃度の測定を行ったところ測定限度以下(10 ppm以下)であることが明らかになり、本手法が粉末冶金法と比較しても、不純物除去に効果的であることが確認できた。また、積層造形品の機械特性を三点曲げ試験によって計測した。三点曲げ試験試料の長手方向が積層方向に対して平行な試料と垂直な試料では明確な違いが観測された。試料の長手方向が積層方向に対して平行な試料では、柱状組織が亀裂の進展を抑制するため、剥離破壊を起こした。この結果は、柱状組織を微細化出来れば擬延性を獲得できる可能性を示しており、本研究で目標とする高靭性化への方向性を見出すことが出来た。 一方で、真空中のレーザー積層造形に関しても最適な条件を探索した。レーザー強度と走査速度によって積層可能な条件を調査したところ、一定強度以上で積層可能だが走査速度は速すぎても、遅すぎても積層出来ない。原材料粉末を分級して粒度を揃えると、速い速度で積層出来るようになるが、積層可能な走査速度の範囲は狭い。現段階では積層造形品は多孔質であり、最適化が必要と考えられる。積層中は積層造形品が赤熱しているため、冷却効率の向上が必要と考えられる。 なお、真空中のレーザー積層造形に関しては、学部生の卒業論文のテーマとして受理された。
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