研究課題/領域番号 |
17K18789
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
津村 耕司 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (60579960)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 南極 / 赤外線天文学 / 大気光 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、地球上で最も天文観測に適していると言われる南極の大気光環境を調査すべく、南極で天文観測を実施するための装置を、既存のカメラを改造することで製作することである。 今年度は、カメラに設置するリニアバリアブルフィルター(LVF)の仕様について検討を進めた。具体的には、検出器面とフィルターとの間隔ができるだけ狭い方が、より高い波長分解能を実現できるため、既存のカメラの構造を確認しながら、検出器とフィルターホイルとの間隔をどこまで狭められるかの検討を行った。またその結果を踏まえて、現実的な観測時間で科学要求を達成するために必要な要求感度を満たすためのLVFの仕様(透過波長域、波長分解能、ブロッキング性能、基盤サイズ、など)と、カメラの前に設置するレンズの仕様を検討した。 このような検討から得られたLVFの要求仕様に対して、複数のメーカーを交えてその製作実現性の検討を行った。その検討の結果、海外のメーカーにおいて、要求仕様を満たすLVFの製作が可能であることが確認できた。そこで、国内の代理店を通じて、そのようなLVFを平成30年度から製作を開始するべく準備を進めた。 また、南極での科学研究に関する国際会議Polar2018にて本研究計画について講演を申し込み、ポスターでの発表が決定した。製作中のカメラが完成後に、南極での天文観測を実現させるべく、この国際研究会の会場にて、イタリアまたはフランスの研究者と国際協力について議論するための準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
南極カメラに取り付けるLVFの仕様検討および製作実現性検討を行った。その結果、要求仕様を満たすLVFを製作可能であることがメーカーとの議論で明らかになった。製作開始は当初の予定からやや遅れ平成30年度からになり、費用も当初予定よりやや高額になってしまったものの、スケジュール・費用共に許容範囲である。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度はLVFの製作を開始し完成させる。LVFの納入後は、カメラに設置し、冷却試験や波長キャリブレーションなどを行う。また、6月に参加する国際会議Polar2018の会場にて、南極に持ち込んでの観測を実現すべく、国際協力についてフランスもしくはイタリアの研究者議論を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度にリニアバリアブルフィルター(LVF)の製作を開始する予定であったが、メーカーとの検討の結果、次年度に製作を開始することとなったため、今年度の予算を次年度に繰越をすることにした。
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