研究課題
本研究の目的は、地球上で最も天文観測に適していると言われる南極の大気光環境を調査すべく、南極で天文観測を実施するための装置を、既存のカメラを改造することで製作することである。2018年度は、南極での大気光観測のために専用に設計したリニアバリアブルフィルター(LVF)を製作した。このLVFは2017年度の1年間かけて、国内代理店を通じてドイツのメーカーと仕様の検討を進めてきたものである。製作の過程において、フィルター領域にわずかな湾曲が生じてしまい、直進性を高めるための改善を行うなど、製作過程においてもいくつかの問題が生じたものの、2018年度内に無事に製作が完了し、納品された。また、南極での科学研究に関する国際会議Polar2018にて本研究計画についてポスター発表を行い、世界の南極天文学に関する研究者たちと議論を進めることができた。特にこの機会を利用して、フランスのニース大学を訪問し、フランスが南極で運営しているドームCに本装置を持ち込んでの観測の実現可能性について議論を進めることができた。
2: おおむね順調に進展している
本研究計画の最大の目的であった、南極大気光観測のための専用のLVFの製作は完了することができたのは大きな成果である。
将来的にこの装置を南極に持ち込んでの観測を実現できるよう、引き続き国際協力について模索していく。そのため、まずは現状の東北大カメラのメンテナンスを継続し、それを用いた国内での観測を進めることで、装置の特性を理解することに努める。
2018年度の予算使用についてはほぼ計画通りに進められたと考えている。残額は1万円と少額であり、これを無理に使い切るよりも、次年度に繰り越した方が有効活用できると考えている。具体的には、フィルターを搭載するカメラのメンテナンスなどを想定している。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 8件、 査読あり 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 図書 (2件)
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