研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天文学や地球惑星科学では「星間分子(H2O, NH3, CH4など)の核スピン異性体比から,分子が過去にどのような環境で生成したのかがわかる」と考えられており,積極的に観測研究が進められてきた.しかし,近年の代表者の実験研究によって「H2Oの核スピン異性体比からはH2O氷の生成時の環境を知ることができない」ことが明らかになったため,星間分子の核スピン異性体比が本当は何を意味しているのかは,30年以上の観測研究の蓄積にも関わらず未だに不明である.本研究によって「星間分子の核スピン異性体比が異常な値をもつのは,気相化学反応が原因である」という新説を提案・検証するための基礎が確立した.
|