人工的に生産可能な潤滑油を得るため,植物由来DNA断片の潤滑油代替材料としての可能性を検討し,低摩擦材料として確立するものである.ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)法により,DNA断片の増幅と摩擦面への供給,摩擦測定からその可能性について解明する.DNA断片の摩擦面吸着のその場観察から,低摩擦に寄与する極性基の種類,吸着される側の材質との組み合わせの解明を目指す.最後にDNA断片の吸着を阻害する要因を明らかにするため,紫外光導入摩擦面その場観察試験機を用いて,入射する紫外線波長と摩擦係数との関係を得る.吸着基あるいはDNA断片の構造を破壊する要因について明らかにする.
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