本研究では,省エネルギー化のキーデバイスとなるパワー半導体デバイス製造技術における技術革新を目指し,透明基板材料を,低光子エネルギービームでレーザー加工する技術開発に挑戦した.提案の手法では,高い電界強度を持つ超短パルスレーザー(光トリガービーム)を照射し,透明基板材料表面,また内部を選択的に光励起し,被加工材料の光吸収率を変化させ,光励起効果が持続する期間中にレーザーを再照射し,加工をすることで,レーザー加工効率を向上させる技術を確立した.研究期間中の研究成果として,従来,可視光~近赤外光でのレーザー加工が困難とされていた透明基板材料(バンドギャップ値7eV以上)に対して,その表面に光吸収層としてカーボン層をコーティングし,低照度の近赤外光(波長800nm)のフェムト秒レーザー光を照射することで,合成石英基板の加工閾値を3600mJ/cm2から1290mJ/cm2まで低減させる効果を確認した.また,研究代表者らが提案するダブルパルスビームを用いた光励起加工法を用いて,カーボンコーティングした合成石英基板を加工する場合,加工に必要なビームのピークパワーは,非コーティング材料のシングルパルスビーム加工で必要な3600mJ/cm2に対し,ダブルパルスビームの各パルスのピークパワーは750mJ/cm2まで低減できることがわかった(ダブルパルスビームの合計では1500mJ/cm2の照度のビームが照射されている.).
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