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2017 年度 実施状況報告書

マイクロロボットの3Dプリントのための自己組織型「人工筋肉」インクの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K18852
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

平塚 祐一  北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (10431818)

研究分担者 新田 高洋  岐阜大学, 工学部, 准教授 (20402216)
野村 慎一郎  東北大学, 工学研究科, 准教授 (50372446)
森島 圭祐  大阪大学, 工学研究科, 教授 (60359114)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワードモータータンパク質 / 人工筋肉
研究実績の概要

近年3Dプリンタ技術が発展し産業構造に大きな変革が生じ始めている。一方アクチュエータに相当する部分は未だ3Dプリンタでは構築できず、アクチュエータ部品は後乗せという状況にある。我々は最近、モータータンパク質と呼ばれる生命の運動タンパク質を利用し水溶液中に人工筋肉を形成させることに成功した。この人工筋肉を利用して大きさ数ミリメーターのマイクロロボットを稼動させることに成功している。本研究提案ではこの技術をさらに発展させモータータンパク質を封入した「人工筋肉」インクを開発し、マイクロロボットのアクチュエータ部位を三次元造形する手法を開発する。将来的にマイクロロボットの骨格・筋肉を一体造形できる3Dプリンタの開発を目指す。本研究では人工筋肉の素材であるモータータンパク質(ミオシン、アクチン)を脂質二重膜の微小カプセル(リポソーム)に封入し、リポソームの界面間の相互作用を増すことで増粘効果を増す手法を提案している。光照射などにより界面を破壊し多種のリポソームを融合させ、内包する溶液を混合することで、超沈殿(ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントを混合することにより生じる収縮)のような人工筋肉の形成反応を開始させる。H29年度ではモータータンパク質の一つ微小管をリポソームに封入する手法を開発した。また、GFP(Green fluorescent protein)などの、異なるタンパク質を内包した2種類のリポソームが混合した集合体リポソームの作製が可能となり、人工筋肉インクの基本要素の一つを微小カプセル化を可能とした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究提案の「人工筋肉インク」の作製で特に困難と思われる課題はタンパク質のカプセル化(リポソームに封入)であった。本年度、PGPR(ポリグリセリンポリリシノレート)を利用することで簡単で且つ安定にモータータンパク質の一種微小管をリポソームに封入することに成功した。さらにリポソーム作製の行程のエマルジョン作製の段階で異なるタンパク質を内包したエマルジョンを混合することにより、目的の混合リポソームの集合体の作製も可能であることが分かった。まだ実際の人工筋肉の収縮には至っていないが、当初困難と思われる課題にクリアーすることができたため自己評価は「おおむね順調に進展している」とした。

今後の研究の推進方策

本年度開発したモータータンパク質のカプセル化技術を利用してリポソーム内にアクチンフィラメントとミオシンフィラメント(またはキネシンフィランントと微小管)に内包した混合集合体リポソームを作製する。本研究の最終目標では光などの外部刺激でリポソームの膜を破壊し内包液を混合することにより人工筋肉を形成させる。まず簡単な方法として微量の界面活性化剤(TritonX100、Brij 35, Tween20など)を加えリポソームを破壊することで人工筋肉の形成が可能なことを確認する。その際リポソームのサイズやモータータンパク質の濃度など至適な条件を探る。人工筋肉の形成が確認出来た後、我々が既に保有するデバイス化や力測定法を応用して、人工筋肉インクで駆動する微小デバイスやその力定量を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究の進捗を加速させるため実験補助員をH30年度に雇用するため次年度に予算を繰り越した。(予定していた実験補助員は出産のため平成30年3月まで働くことがができなかったため。)

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公開日: 2021-01-27  

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