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2017 年度 実施状況報告書

遺伝子操作情報トレーシングのための細胞スケール非接触磁気タグの研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K18857
研究機関九州大学

研究代表者

山西 陽子  九州大学, 工学研究院, 教授 (50384029)

研究分担者 川原 知洋  九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (20575162)
原本 悦和  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30540869)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワードBioMEMS / マイクロTAS
研究実績の概要

本研究課題の背景として,これまでICタグ等の技術は商品流通の分野では大変広く使用されている技術である一方で,生体へ埋め込む細胞スケールまで小さいタグについては,安価なタグをどのように作成し,どのように埋込み,長期間安定に発信させるかについての技術は発展途上にあることが挙げられる.本研究は,これまで高額かつ難解なMEMSプロセスより製作させていたICタグを,ウェットな環境下においても安価でロバストな発信が期待できる磁場を使用した新しいタイプのタグを生み出すことを目標としている.
研究の初期ステージではホール素子等を原理としたTMRセンサをアレイ状に並べてセンシングを行う予定であった.しかしながらコストやハイスループット製において将来的に実用化へ結びつくために,より安価かつ2次元情報を一度にセンシングできる磁気光学系のMOセンサを採択し,予備実験を行いセンシングのための感度調査を行った.その結果,自作したマイクロ磁気タグの磁気フィールドイメージング情報を得ることに成功した.さらにこれまで自作した磁気タグを前もって着磁して埋め込んでからセンシングを行うことをしていたが,その方法であると時間とともに磁束密度の低下が観察されてしまうため,数ヶ月以上の磁気情報の保持には問題があったが,今回新たに磁気アシスト法を考案し,着磁不要で,計測時に着磁しながらセンシングを行うといった新しい計測方法を具現化することに成功し,その問題を解決した.今後は生体試料等に埋め込んで実用化フェーズへと研究を進めるものとする.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の初期ステージではホール素子等を原理としたTMRセンサをアレイ状に並べてセンシングを行う予定であった.しかしながらコストやハイスループット製において将来的に実用化へ結びつくために,より安価かつ2次元情報を一度にセンシングできる磁気光学系のMOセンサを採択し,予備実験を行いセンシングのための感度調査を行った.その結果,自作したマイクロ磁気タグの磁気フィールドイメージング情報を得ることに成功した.さらにこれまで自作した磁気タグを前もって着磁して埋め込んでからセンシングを行うことをしていたが,その方法であると時間とともに磁束密度の低下が観察されてしまうため,数ヶ月以上の磁気情報の保持には問題があったが,今回新たに磁気アシスト法を考案し,着磁不要で,計測時に着磁しながらセンシングを行うといった新しい計測方法を具現化することに成功し,その問題を解決した.今後は生体試料等に埋め込んで実用化フェーズへと研究を進めるものとする.

今後の研究の推進方策

磁気光学を用いた磁気フィールド2次元イメージングにおける試験的な実験を完了したので,次は生体試料への埋込みとトレーシング期間と埋め込み姿勢検知などを工夫したセンシング法を確立するものとする.磁気アシスト法による磁場増幅センシング法を確立したので今後はよりシビアな状態でもセンシングするために,センシング部の光学素子の改良についても行っていく.ファラデー効果を最大に発揮させるための光学素子の配置方法などの検討についても行うものとする.長時間安定に情報を読み込むための磁気タグ側とセンサ側からのアプローチを行い,実用化へ加速させるものとする.

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of Invasiveness by Breakdown Phenomena of Electrically Induced Bubbles for a Needle-Free Injector2018

    • 著者名/発表者名
      Ichikawa Keita、Maeda Shingo、Yamanishi Yoko
    • 雑誌名

      Journal of Microelectromechanical Systems (JMEMS)

      巻: 27 ページ: 305-311

    • DOI

      10.1109/JMEMS.2018.2793314

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Electrohydrodynamic Conduction Pump with Asymmetrical Electrode Structures in the Microchannels2017

    • 著者名/発表者名
      Sato Tasuku、Yamanishi Yoko、Cacucciolo Vito、Kuwajima Yu、Shigemune Hiroki、Cianchetti Matteo、Laschi Cecilia、Maeda Shingo
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 46 ページ: 950~952

    • DOI

      10.1246/cl.170217

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Investigation of micro magnetic tag for individual discrimination2018

    • 著者名/発表者名
      Kohei Oguma, Yoko Yamanishi, Daisuke Matsumura, Tasuku Sato, Yoshikazu Haramoto, Tomohiro Kawahara
    • 学会等名
      バイオニクス研究センター実装学会
  • [学会発表] 高速射出微細気泡による非定常現象と機能創発2018

    • 著者名/発表者名
      山西陽子
    • 学会等名
      日本学術会議 第3回 理論応用力学シンポジウム
    • 国際学会
  • [学会発表] Local Magnetization and Sensing of Flexible Magnetic Tag for Long-Term Monitoring under Wet Environment2017

    • 著者名/発表者名
      Yoko Yamanishi, Daisuke Matsumura, Yuya Fujiwara, Takashi Ohgawara and Yoshikazu Haramoto
    • 学会等名
      Transducers 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] 個体識別のための埋め込みタグの研究2017

    • 著者名/発表者名
      松村 大輔、山西 陽子、大河原 孝、原本 悦和
    • 学会等名
      第78回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] 生体情報トレーシングのための埋込タグの研究2017

    • 著者名/発表者名
      松村 大輔、山西 陽子、藤原 裕也、大河原 孝、原本 悦和
    • 学会等名
      第35回化学とマイクロ・ナノシステム研究会
  • [学会発表] 電界誘起気泡による穿孔とインジェクションの研究2017

    • 著者名/発表者名
      松村 大輔, 山西 陽子
    • 学会等名
      ROBOMECH 2017 in Fukushima, (社)日本機械学会ロボメカ部門)
  • [学会発表] 電界誘起気泡における機能創発2017

    • 著者名/発表者名
      山西陽子
    • 学会等名
      化学とマイクロ・ナノシステム学会 第35回研究会
    • 国際学会
  • [備考] 九州大学 流体医工学研究室

    • URL

      http://bmf.mech.kyushu-u.ac.jp/

  • [産業財産権] めっき方法、気泡噴出部材、めっき装置、および、デバイス2017

    • 発明者名
      山西陽子,福山雄大
    • 権利者名
      九州大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2017-202994

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公開日: 2018-12-17  

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