低炭素社会を実現するには、市場の9割を占める結晶Si太陽電池のエネルギー変換効率の大幅な向上が欠かせない。このためには、結晶Siと組み合わせて、2接合タンデム型太陽電池を形成する必要がある。その場合、最適な半導体の禁制帯幅は 1.6~1.7eVであるが、Si基板上に高品質で製膜が可能な、そのような半導体が限られることがボトルネックになっていた。本研究では、炭素ドープBaSi2において、禁制帯幅拡大を示唆する結果が得られたこと、さらに、炭素濃度が1cc当たり10の21乗台においても、分光感度が極端に大きいことを実証した。このため、BaSi2は、トップセル材料として有力な候補であるといえる。
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