研究課題/領域番号 |
17K18868
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山下 真司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40239968)
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研究分担者 |
セット ジ・イヨン 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (20530827)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 光ファイバレーザ / モード同期 / 非線形ループミラー |
研究実績の概要 |
本研究は、光ファイバレーザにおいて受動モード同期と能動モード同期のもつ特長を両立させることのできる受動・能動ハイブリッドモード同期光ファイバレーザからの高安定な短パルス発生を実現し、その計量・計測・通信への応用を図るものである。これまでに提案されている非相反位相シフタの代わりに、代表者らが提案している位相変調器を用いたFigure9ファイバレーザを構成し、実験を進めた。系は全て偏波維持ファイバで構成されており、シングルモードファイバ(SMF)34m をファイバフェルール型ミラー(反射率99%) と非線形ループミラー(NALM)で挟むことで共振器を構成した。NALM は3dB カップラとゲイン用のEr ファイバ(EDF)5m、SMF25m、分散シフトファイバ(DSF)20m、位相変調器で構成した。ポンプパワー250mW で位相変調を加えることでモード同期が実現された。パルス幅(Sech 型) は190fs、スペクトル幅は11.14nm、繰り返し周波数は1.54MHzのパルスが得られた。モード同期は複数の変調周波数で実現し、1.54MHz を除く1.54 ± n× 約0.1MHz でモード同期が実現した。 これに加え、新たに位相変調器に代えて周波数シフタ(AOM)を用いる方法でも安定なモード同期が実現できることを示した。上とほぼ同じ系を用い、AOMの駆動周波数約 38MHzでスペクトル幅1.3nmでパルス幅3.9ps、繰り返し周波数3.7MHzの安定なパルス発生を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
位相変調器を用いたFigure9ファイバレーザの研究は計画通りに進展しているのに加え、新しい構成として周波数シフタを用いるFigure9ファイバレーザを提案して実証している。
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今後の研究の推進方策 |
位相変調器を用いたFigure9ファイバレーザの研究を計画通りに進めるに加え、新しく提案した周波数シフタを用いるFigure9ファイバレーザの研究をさらに進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を担当する大学院生の予期せぬ休学と、注文した実験用物品の納期が予想よりも長くかかることが重なり、次年度に回さざるを得なかった。購入予定の物品は次年度の早期に納入される予定である。
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