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2017 年度 実施状況報告書

半導体光増幅素子による100 GSample/s光量子化技術の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K18873
研究機関電気通信大学

研究代表者

松浦 基晴  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40456281)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワードアナログ・デジタル変換 / 光アナログ・デジタル変換 / 半導体光増幅器 / 周波数チャープ / 光フィルタ / 光量子化
研究実績の概要

アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル(A/D)変換において、電気的なクロックのジッタ限界に伴い、標本化、量子化、符号化までを全て光領域で実現する光A/D変換が注目を集めている。光領域での標本化については、低ジッタの光パルス光源によるサンプリングでその有効性は既に実証されているが、光量子化については、様々な手法を用いた研究が現在も精力的に行われている状況である。本研究では、これまでにない、半導体素子の周波数チャープを利用した光量子化技術を提案し、光処理ならではの、低消費電力で駆動可能な高速光A/D変換技術の実現を目指すことをねらいとしている。
この光量子化技術は、本研究課題を始める前に既に提案しているが、未だ4レベルの簡易な実証実験しか行っていない。本提案技術の有効性を向上するため、今年度は、系構成の見直しや光フィルタの最適化などから、より実用的な量子化レベルでの実証実験を試みた。
系構成の見直しでは、周波数チャープを有するプローブ光の信号レベルの現象を抑制するため、半導体素子の後段に、光アンプを挿入し、信号レベルの向上を行い、量子化パルスの測定を容易に行えるようになった。また、光フィルタの最適化については、以前の光フィルタでは、フィルタシフト量の調整が手動であったため、シフト量の細かい設定が不可能であったが、プログラマブル機能を有する光フィルタを用いることでより高精度にフィルタシフト量の調整を行えるようにし、量子化レベルの向上を行いやすくなった。また、周波数チャープを有するプローブ光がフィルタを透過する際に生じる波長分散の影響も考慮し、最終的な結果として、10 GSample/s、8レベルの光量子化の実証実験を行うことに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題を遂行前に予測していた光フィルタの影響を最適化を行うことで、予測通り大幅に改善することが出来、意義のある実証実験に成功した。さらに、系構成の改善や入力パラメータの調整を行うことで高性能化が見込める状況である。

今後の研究の推進方策

昨年度同様に、提案する光A/D変換技術の高性能化に取り組み、得られた成果については、世界的に著名な国際論文誌や国際会議等に公表している予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Wavelength conversion of 25-Gbit/s PAM-4 signals using a quantum-dot SOA2018

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Ohtsuki, Motoharu Matsuura
    • 雑誌名

      IEEE Photonics Technology Letters

      巻: 30 ページ: 459-462

    • DOI

      10.1109/LPT.2018.2798645

    • 査読あり
  • [学会発表] データセンタのための量子ドット半導体光増幅器を用いたPAM-4光波長変換2018

    • 著者名/発表者名
      大槻樹矢, 谷津智也, 松浦基晴
    • 学会等名
      電子情報通信学会フォトニックネットワーク研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 量子ドット半導体光増幅器の周波数チャープを用いた光A/D変換のための光量子化レベル向上2018

    • 著者名/発表者名
      星野弘樹, 岡田拓也, 松浦基晴
    • 学会等名
      電子情報通信学会フォトニックネットワーク研究会
  • [学会発表] PAM-4信号のための量子ドット半導体光増幅器を用いた広帯域光波長変換2017

    • 著者名/発表者名
      大槻樹矢, 谷津智也, 松浦基晴
    • 学会等名
      電子情報通信学会光ファイバ応用技術研究会
  • [学会発表] Regenerative wavelength conversion of PAM-4 signals using XGM with blue-shift filtering in a QD-SOA2017

    • 著者名/発表者名
      T. Ohtsuki, T. Yatsu, and M. Matsuura
    • 学会等名
      CLEO-PR/OECC/PGC 2017
    • 国際学会
  • [備考] 電気通信大学 松浦研究室

    • URL

      http://www.mm.cei.uec.ac.jp/index.html

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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