研究課題/領域番号 |
17K18874
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
竹村 泰司 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30251763)
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研究分担者 |
山田 努 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (70251767)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 磁場制御 / 体内インプラント / 低侵襲治療 |
研究実績の概要 |
動脈の内側にコレステロールなどの脂質が固化すると血管を狭窄し、動脈硬化の一因となる。表面にダイアモンド粒子を付着させたロータブレーダ(直径1.25-2.5 mm)をカテーテルで導入し、脂質を掘削する治療が実用されている。これを1 mm径の小型インプラントで置き換え、ワイヤレスの低侵襲治療を実現することを本研究の目的としている。 人体を挟むコイル間隔(300~450 mm程度)でインプラントを駆動制御することは、容易ではない。本課題ではコイルアレー方式を新たに提案し、コイル及びインプラントの設計試作を通じてその有効性を検証することが特色である。磁場で駆動させるいわばマイクロロボットは、動脈硬化に限らず種々の低侵襲治療に適応される波及効果が期待される。 平成29年度は、フェライト磁石を用いた1 mm径インプラント及び3連のコイルアレーによる位置制御用コイルを設計し、インプラントの位置・駆動制御を可能とする励磁条件を見いだすことを研究計画とした。3連コイルアレーから発生する磁場強度の空間分布からコイル配置を最適化させることに成功した。また人体を取り囲むようなコイルアレーの配置の有効性を見いだし、当初に構想していた3連コイルアレーと比較して消費電力の指標においても利点があることを示した。さらに小径インプラントへのワイヤレス給電に関する独自の技術手法を見いだすことができ、具体的には平成30年度の研究実施により磁場制御により駆動・治療操作可能な血管内インプラントの高度化を実現する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本課題の中核であるコイルアレー方式の新規提案と、コイル及びインプラントの設計試作を通じたその有効性の検証について、平成29年度計画に対して着実な研究実施により十分な成果を得ることができた。それに加え、小径インプラントへのワイヤレス給電に関する独自の技術手法を見いだすことができ、磁場制御により駆動・治療操作可能な血管内インプラントの高度化に資する研究を実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
インプラントを駆動・位置制御するためのコイルアレーの設計は終えており、励磁条件を提示するための研究課題に取り組む。また磁場制御により駆動・治療操作可能な血管内インプラントの高度化の観点からワイヤレス給電の有用性を検討し、コイルアレーによる励磁により給電方法を明らかにする。
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