研究課題/領域番号 |
17K18879
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 静雄 京都大学, 工学研究科, 教授 (20135536)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 狭帯域光 / 光刺激 |
研究実績の概要 |
光照射を細胞工学における「人工的操作」とする「細胞光工学(エンジニアリング)」の萌芽を図ることを目的としている。半値幅10nm以下の超狭帯域光が「人工的操作」として有用であるという知見のもと、Euドープ GaN LEDから得られる赤色光(621nm)が、大面積において均一な波長の光が得られるという点でこの目的に叶うことに着目し、光源の準備を行った。また、各種波長の超狭帯域光を得るため、赤(637nm)、緑(540nm)、青(477nm)のLEDをもとに、フレネルレンズとフィルターを用いて半値幅10nmの超狭帯域光を実現するシステムを構築した。照射光強度として、本目的に適した0.03-0.3mW/cm2程度が得られた。 実験の対象として、当初計画していた細胞への直接光照射が実験の手技の点で困難さが多いため、当該年度は応用上の重要さを考慮して照明の神経的作用について検討した。これは照明と睡眠の関係で、良い睡眠を与える環境を構築するという点で価値があり、また現象としては光照射の影響でタンパク質の分泌が制御されるという本研究の目指す効果が生じている。まずそのメカニズムについて調査し、メラノプシン細胞への光刺激(とくに弱い青色光)によってセロトニンの分泌が盛んになるというプロセスに着目した。これを実験的に証明する方法を構築し、また医師を含む研究体制を整備した。その際、脳波およびMRI測定が有効な評価方法になることが明らかになった。 現時点で実験に関する安全性の保障等についての手続きを進めており、平成30年度の早々に実験を開始する予定である。あわせて平成30年度には、当初の目的である細胞への直接光照射について実験を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者の専門が工学であることから、当初計画していた細胞への光照射を行う上で細胞の扱い等未経験の問題が明らかとなり、外部機関での協力など実験方法の再検討が必要となった。そのため、平成29年度の実施に至らず、計画に対する研究の遅れが生じた。一方で工学の研究者が扱いやすい照明という分野において実験研究を行うことを発案したが、倫理委員会における検討が必要となり、安全性の保障という点で機器の再検討が必要となったことから、実験に予定以上の期日が必要となった。ただ、外部機関を有効利用することで、今後の研究推進は予定以上に進みうると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
細胞への直接光照射と、照明と感性の関係について、両方から問題の解決にあたって行く予定である。外部機関への委託を進め、効率的な研究遂行を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞への直接光照射に至らなかったため、この実験に計画していた経費に関して次年度使用額として残ることになった。この分については次年度における実験サイクルを増して使用する予定である。
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