近年、液晶の自己組織的な分子配向性を電子デバイスへ応用する研究が盛んになっている。しかしながら、液晶の分子配列はナノオーダー秩序であり光学デバイスには十分であるが、オングストロームオーダーの秩序が求められる電子デバイス応用には不十分である。そこで本研究では、液晶と結晶のさらに中間的な状態としてソフトクリスタルの新しい概念を導入することにより、印刷法の一つであるバーコート法により結晶方位の制御された薄膜単結晶が実現できた。さらに、種結晶を用いた接種凍結法や溶媒媒介転移法により電子移動度の高い単結晶薄膜を実現できることを明らかにした。これにより高性能有機電子デバイスの実現が期待できる。
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