スピンホール効果を用いた高効率自励発振素子の構築と、それを用いたニューロコンピューティング実現のための基盤研究を行っている。前年度に継続して、自励発振素子の特性工場を行うとともに、マルチモード発振スペクトルの解析を行った。その結果、マルチモードの起源は、主にケーブル内におけるマイクロ波の反射波によるものであることが分かった。ただし上記の反射効果ではスペクトル強度の説明ができず、反射波を介したフィードバック効果の存在が示唆される。一方、数値計算では、非常に狭い条件ながら、外部回路なしに、マルチモードスペクトルを実現しうることが明らかとなった。これら結果はスピントロニクス発振素子のニューロコンピューティング応用の実現において、重要な知見となると考えられる。
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