スピンホール効果による磁化反転および自励発振について詳細な評価を行った。直流電流下においてスピンホールトルクによる磁化の準安定状態の生成・観測に成功し、またその安定性をDwell Timeで評価可能であることを示した。また、直流電流を増加させることによって、自励発振状態を実現できる。発振モードは低電流下では単一モードであるのに対して、高電流下ではマルチモードへと遷移する様子が観測された。特にマルチモードは基本モードに対して、モードが等間隔に並ぶ、という特徴的なものである。実験的には外因的なものがマルチモードの主因であるが、数値計算では内因的な起源も存在しうることを示した。
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