本研究では、コレステリック液晶の構造色(帯域反射特性)を用いた屋外用反射型ディスプレイの開発を目的とした研究を行った。初年度は、基板に垂直な方向に螺旋軸を形成するプラナー配向コレステリック液晶に、櫛型電極を用いて不均一な横電界を印加することで、高速に反射帯域を変調することが出来ることを報告した。この高速性を生み出すメカニズムは、ディスプレイデバイスを構成する上で重要となる技術である。 一方で、2018年度は、高分子/液晶混合系を利用した技術について研究を行った。これは、最終的に可逆的カラースイッチング、及び視野角特性の改善された反射型ディスプレイの実現に関係する研究である。本研究の中で、光重合性液晶と液晶を混合した系において、透明点近傍における光重合相分離を引き起こすと、蜂の巣のようなモフォロジーを有した高分子液晶混合系が形成されることを見出した。蜂の巣構造に見られる液晶液滴のサイズは数ミクロン程度であり、比較的低電圧かつ高速な電気的スイッチングが可能となる。この成果が報告された論文内では、この技術を利用してテラヘルツ波移相器を作製したが、同技術をコレステリック液晶に適用することで、本研究テーマの根幹技術として利用できることが期待される。例えば、光重合性コレステリック液晶とコレステリック液晶の混合系を透明点近傍で光重合することにより、螺旋分子配列を有した蜂の巣ポリマー構造が作製可能である。この蜂の巣ポリマー構造とコレステリック液晶の混合系を用いることで、低電圧、高速、及びポリマーによる配向規制による可逆的な電気光学効果が期待される。本研究テーマは期間内に完成しなかったが、上記の研究は今後も継続していく予定である。
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