本研究は、コレステリック液晶の帯域反射特性を利用した屋外用反射型ディスプレイの実現を目指す研究テーマである。研究期間内では主に、コレステリック液晶の高速な反射バンド制御と、無偏光の光に対する50%を超える反射率を実現した。前者では、螺旋軸に対して不均一な横電界を印加することで、300 nmに渡る広い反射バンド波長制御と、サブミリ秒オーダーの高速スイッチングが実現された。後者では、正弦波状の螺旋構造を歪めることで、反射特性の偏光依存性を除去し、反射率の改善を行った。また、未完成ながらも将来的に期待できる技術として、蜂の巣に似た高分子構造を形成する高分子液晶複合系の作製技術の開発に成功した。
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