研究課題
本研究は、人工神経回路網(Artificial Neural Network; ANN)の深層学習(Deep Learning)アルゴリズムを活用して気温、気圧、水蒸気量などの気象因子情報を 縮約し、その特徴を結びつけることにより、大流域を対象として数時間から数日先までの降雨予測が可能な新たな概念の短期降雨予測モデルを作成することであ る。さらに、深層学習を活用したモデルの作成に止まらず、様々な形の深層学習構造と入力の組み合わせを用いて学習アルゴリズムの特徴を調べることにより、 定量的な値として出力が要求される工学計算分野でのANNの活用性を広げることである。研究3年目では、本研究で開発した都市域豪雨発生予測モデルの改良とともに新たな入力情報を用いて予測精度を向上することに集中した。新たな入力情報としては、降水量、気温、日射量、風速、風向の5つの地上観測気象変数に合わせて、ひまわり衛星から観測された衛星情報を活用した。ひまわり衛星から観測される複数のバンド情報から予測精度へ大きく反応する五つのバンド情報を抽出し、衛星観測情報のみ、または地上観測情報との組み合わせの形で入力情報を試した。また、モデル構造としては、CNNに基づいたConvolutional Encoder Decoderを活用し、定量的かつ空間予測が可能なモデルを作成した。新たな入力情報とモデル構造を利用した改良モデルは、30分先の降雨量空間分布を予測できるモデルであり、一定の予測精度を示すことを確認できた。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. B1(Hydraulic Engineering)
巻: 75 ページ: I_1183-I_1188
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水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻: 32 ページ: 130~
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