研究課題/領域番号 |
17K18905
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
力石 真 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (90585845)
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研究分担者 |
瀬谷 創 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20584296)
浦田 淳司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70771286)
日下部 貴彦 東京大学, 空間情報科学研究センター, 講師 (80604610)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 自動運転 / ライドシェア / 相互作用 / 不確実性 / マルチタスク / Recursive logit |
研究実績の概要 |
本研究では,交通環境だけでなく生活関連施設の配置等にまで影響を及ぼす可能性のある次世代モビリティ(自動運転・車両共同利用)導入の影響をシミュレートする土地利用・交通モデルを構築し,技術普及シナリオに内在する不確実性分析を試みる. 本年度は,アクティビティモデルの推定,マルチタスク行動のモデル分析を実施し,これまでの理論的な検討に対して実証的エビデンスの付与を試みた.研究期間全体を通じた研究成果は以下の3点である.第一に,Recursive logitモデルをベースとしたアクティビティモデルを,自動運転サービス導入の社会実験が実施された島根県飯南町にて収集した活動日誌データを用いて構築した.感度分析の結果,自動運転サービス導入範囲が行動パターン,ひいては土地利用に影響を及ぼす可能性が示唆された.第二に,自動運転サービス導入が車内でのマルチタスク行動に及ぼす影響を把握することを念頭に,2つの実証分析を実施した.結果,車内空間の環境(個人の空間が確保できるかどうか,乗車密度)が車内でのマルチタスク行動に影響を及ぼすことが確認され,次世代モビリティ導入の影響は,車内空間の設計に影響を受けることが示唆された.第三に,自動運転のリスク認知に関する実証分析の結果から,システムエラー認知の有無が自動運転に対するリスク認知に影響することが確認され,自動運転車に対するメディアの報道や社会実験中の自動運転の交通事故といった要因が自動運転車の利用に影響しうることが示された.包括的な不確実性分析の実施に至らなかったものの,第2,第3の研究成果より,自動運転サービスの普及は自動運転車両の設計やマーケティングに依存し,その予測には極めて高い不確実性が内在していることが示唆された.
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