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2019 年度 実績報告書

渋滞の奏でる音楽―予兆検知に向けた交通流可聴化理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K18912
研究機関立命館大学

研究代表者

塩見 康博  立命館大学, 理工学部, 准教授 (40422993)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワード可聴化 / 交通流 / 背景音 / 高速道路 / 歩行者 / 自転車
研究実績の概要

2019年度は交通流の可聴化と背景音が交通行動に及ぼす影響の分析の2点に取り組んだ.
前者に関しては,高速道路に設置された車両感知器から収集される個別車両データを用い,交通状況を的確に表現するための可聴化手法の構築,および官能実験による交通状態の判別性能評価を行った.可聴化は時空間ダイナミクスの可聴化と車線利用ダイナミクスの2つの方法を提案し,それぞれの評価を行った.その結果,前者の方がより正確にブレイクダウン直前の交通状況を判別できることが明らかとなった.また,これはグラフにより視覚的に交通状況を表現した場合との比較でも判別精度が高いことが示された.加えて,今後の機会学習による渋滞発生予兆検知のアルゴリズム構築に向け,MAXを用いたデータの音変換システムを構築し,それをpythonにより制御することで音データ生成の自動化システムを構築した.
後者に関しては,隘路補講実験による背景音と歩行者群集流動特性の関係分析,および駐輪場による自転車群集流動と背景音の関係について実証分析を行った.まず,特徴の異なる複数の楽曲を選定し,SD法により楽曲の特徴因子を抽出した.その結果に基づき,実験に用いる楽曲を決定した.その上で,隘路補講実験では75名の被験者に協力を依頼し,模擬的に設定した隘路空間を歩いてもらい,その状況をビデオ撮影し,個人の移動軌跡をデータ化した.このデータから交通密度と平均速度,および交通密度と交通流量の関係性を導出し,楽曲間の比較を行った結果,楽曲の活発さと臨界時の交通流量の間に正の相関があることが確認された.一方,駐輪場における実証実験では,同じ楽曲を駐輪場入口にて再生し,自転車挙動をビデオ撮影することで移動軌跡データを抽出,歩行者実験時と同様に交通流指標の関係性を分析した.その結果,混雑状況によって楽曲が交通流特性に及ぼす影響が異なることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Intuitive Representation of Traffic Flow Dynamics: Application of Data Sonification2020

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Shiomi, Shiho Sakai, Hiroko Terasawa
    • 雑誌名

      Proceedings of 2020 IEEE Forum on Integrated and Sustainable Transportation Systems (FISTS)

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 車両感知器パルスデータの可聴化による交通状態判別性能の評価2020

    • 著者名/発表者名
      酒井紫帆,塩見康博,寺澤洋子
    • 雑誌名

      土木学会論文集D3(土木計画学)

      巻: 75 ページ: I_625-I_636

    • DOI

      https://doi.org/10.2208/jscejipm.75.6_I_625

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Intuitive Representation of Traffic Flow Dynamics: Application of Data Sonification2020

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Shiomi, Shiho Sakai, Hiroko Terasawa
    • 学会等名
      IEEE Forum on Integrated and Sustainable Transportation Systems
    • 国際学会
  • [学会発表] SD法による可聴化した交通状態の印象評価2019

    • 著者名/発表者名
      酒井紫帆,塩見康博
    • 学会等名
      令和元年度交通科学研究会研究発表会
  • [学会発表] 高速道路における車両感知器データの可聴化2019

    • 著者名/発表者名
      酒井紫帆,塩見康博,寺澤洋子
    • 学会等名
      日本音響学会2019年秋期研究発表会

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公開日: 2021-01-27  

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