研究課題/領域番号 |
17K18937
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
笠原 次郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60312435)
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研究分担者 |
松尾 亜紀子 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70276418)
船木 一幸 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50311171)
松岡 健 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (40710067)
川崎 央 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20802242)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | デトネーション / 推進工学 / 航空宇宙工学 / 熱工学 / 輸送機器 / フィルム冷却 / アクチュエータ |
研究実績の概要 |
第2年度は、アクチュエータを製作し、かつ、アレイ化するための本格的な研究を行った。これまで開発に成功してきた回転デトネーションエンジン技術を応用して、デトネーションアクチュエータを製作し、高速ジェットの推力特性を測定し、理論性能(適性膨張を仮定した場合)の90%以上の推力が発生することを確認した。アクチュエータは、制御信号のONが入力されば、燃料(エチレン)と酸化剤(酸素)のバルブが開となり、燃焼器部に気体が投入され、点火し、回転デトネーション波が発生し、音速の高速ジェットを生成でき、OFFにすると、停止する仕組みとした。エンジンの目標応答時間は100 ms、Ispは 242 secを達成している。内筒部のない回転デトネーションアクチュエータ作動実験を行い、適性な作動を実施し、可視化計測でも結果を確認した。内筒なしで、超小型のデトネーションアクチュエータを実現したことになる。特に、推力と周囲圧力、インジェクター部の流出運動量の計測によって、一次元的な膨張でありながら、既燃気体が音速に加速していることを確認し、これまでの常識とは異なる膨張過程であることを確認した。また、窒素フィルム冷却機構を開発し、壁面への熱流束を抑制可能であることを実験的に確認した。この成果によって、アクチュエータは長時間の作動に耐えることが確認された。また、冷却剤としての窒素ガスの噴射によって推力増大効果が存在することも確認できた。この現象はパルスデトネーションエンジンにおける部分充填効果と類似している。
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