研究課題/領域番号 |
17K18949
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
福田 大輔 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (70334539)
|
研究分担者 |
瀬尾 亨 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (90774779)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
キーワード | 交通工学 / 交通経済学 / 自動運転 |
研究実績の概要 |
本研究で新たなモデルの定式化を行う基礎となる,以下の関連レビューを行った. [1]自動車交通流理論(道路上で,異なる性質を持つ車両が,各々の物理的制約(周辺車両との安全間隔,自車の性能)を考慮しつつ走行する際に,交通流全体の挙動を記述する動学モデル); [2]ボトルネック渋滞モデル(通勤ラッシュアワーにおいてボトルネックの容量不足によって待ち行列が生じうる中で,各ドライバーが出発時刻選択を行い,自身の出発時刻を変更する動機を持たないナッシュ均衡状態を導出する交通渋滞の動学モデル); [3]活動時間配分モデル(時間資源制約,所得制約,家計生産に関する技術的制約等の下で,世帯が自己の効用を最大化する最適時間配分を決定する消費者行動モデル). [1]に関しては,交通工学の古典理論から先端理論まで包括的に整理を行った.特に,自動運転(協調・自律)と手動運転車の間に予測される異質性の考慮を念頭に置いて毀損研究を整理した.[2]に関しては,交通経済学を中心に,選好の異質性と均衡出勤パターンの関連性,時間集積の経済による内生的なスケジューリング選好形成モデル,最適及び次善の動的混雑課金設計問題,均衡解の安定性解析,自動運転車の普及率とボトルネック容量との関連性に関する経済学的研究等について重点的にレビューを行った.[3]に関しては,経済学の消費者行動理論,交通行動分析のActivity-basedアプローチ等の分野を中心にレビューを行い,自動運転中の活動機会増大に伴う労働や余暇活動への時間再分配が消費者の厚生に及ぼす影響,利用者異質性の影響,移動弱者の自力による外出機会の増大可能性の影響,最適の道路投資水準についての基礎的知見を得た.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の計画通りに行われている.
|
今後の研究の推進方策 |
二年度目に計画している内容に加え,旅行者の自動運転とシェアリングに対する受容性を明らかにするべく,選好意識調査を追加的に行う予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初文献調査のためResearch Assistantの雇用を予定していたが,それを行わずとも,当初予定していた文献調査を,研究代表者及び分担者だけで遂行できた.二年度目には新たに,自動運転の需要意識と時間価値に関する選好意識調査を行うことを考えており,そのための使用を新たに考えている.
|