本研究では熱活性化遅延蛍光(TADF)材料と呼ばれる新しい有機EL用発光材料において、ロールオフの主要因である三重項・三重項対消滅(TTA)を特徴づける対消滅レート(γ)を決める実験的手法を構築することを目的とした。燐光材料などで用いられてきた過渡発光の測定結果からではTADF材料のγを決定できないため、代わりに定常発光の励起光強度依存性を解析することによりγを決定する方法を構築した。またTADF材料をホスト材料に様々な濃度でドープした薄膜を用意し、本手法を適用した結果、γにドープ濃度依存性がほとんど見られないことなどから、フェルスター機構によるTTAが強く示唆された。
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