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2017 年度 実施状況報告書

Flow Focusingによる柔らかい粒子の創成と粘弾性流体中の流動挙動解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K19013
研究機関神戸大学

研究代表者

日出間 るり  神戸大学, 工学研究科, 助教 (20598172)

研究分担者 鈴木 洋  神戸大学, 工学研究科, 教授 (90206524)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワードFlow Focusing / ダブルエマルション
研究実績の概要

本研究は,Flow Focusingという粒子を生成する技術において,ドラッグデリバリーシステム(DDS)にも応用可能な柔らかい粒子を均一に安定的に生成するための因子の決定,および,柔らかい粒子の力学特性や大きさ,周囲の流体特性に依存する粒子の流動挙動を定量化することを目的とする.柔らかい粒子にはマイクロメートルサイズのダブルエマルションやジャイアントベシクルを用い,粘弾性流体中の粒子の流動挙動可視化を目指す.目的を達成するために,H29年度はFlow Focusingによりダブルエマルションを安定して生成することを第一の目標とした.Flow Focusingに用いた流路は,油相と水相の溶液が交差するオリフィスの形状が異なるものを2種類作製した.2種の流路作製の狙いは,オリフィスで溶液にかかる力を変えることであった.しかし,現在のところ,どちら流路を用いてもダブルエマルション生成の成功率は高いとは言えない.これは,形状や流量以上に,流路の濡れ性の問題(流路出口付近に油相の溶液が濡れ広がり,ダブルエマルションの粒子ができない問題)がダブルエマルション生成の成功率を下げているからである.そこで,溶液の粘度を調整しキャピラリー数という指数をコントロールすると,成功率がやや上昇した.また,生成したダブルエマルションの力学特性解析のために,走査型プローブ顕微鏡や光ピンセットシステムの準備を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ダブルエマルションの安定した生成が,当初想定した以上に難しい.流路の形状や流量を変化させることにより,溶液のキャピラリー数や,流路内で溶液にかかる力をコントロールしたいと考えたが,形状や流量よりも,流路の濡れ性の問題(流路出口付近に油相の溶液が濡れ広がり,ダブルエマルションの粒子ができない問題)がダブルエマルション生成の成功率を下げているのが現状である.そこで,流量によるコントロールは一時停止し,溶液の粘度調整によりキャピラリー数を変化させることにした.すると,ダブルエマルション生成の成功率がやや上昇した.以上の理由により,研究の進行は当初の想定よりもやや遅れているが,溶液の粘度調整といった解決の方法も見つかりつつある.

今後の研究の推進方策

H30年度の目標は,以下である.以下の内容を統合し,柔らかい粒子の安定した生成と,流動挙動解明を目指す.
(1) キャピラリー数に着目し,溶液の粘度調整を行うことで,ダブルエマルション生成の成功率上昇を目指す.ダブルエマルション生成には,実験開始直後の流動状態が重要で,開始直後にダブルエマルション生成ができていれば,その後は,流量を変えても濡れ性の問題が生じず,ダブルエマルショは生成しつづけることが多い.そこで,まず,実験開始直後のダブルエマルション生成の安定化を目指す.安定した生成が可能となった後は,流量を変化させ,ダブルエマルションの粒径に流量やキャピラリー数が与える影響を調べる.
(2) 数値計算により,流路内のオリフィスで溶液にかかる力を求める.分散液滴となる溶液にかかる力が大きいほど,エマルション,ダブルエマルションが生成しやすいと考えられる.そこで,流路の形状や,キャピラリー数が,流路内の力生成に与える影響を定量化する.
(3) 生成したダブルエマルションやベシクルの力学測定を行う.十字型マイクロ流路中,走査型プローブ顕微鏡(SPM),光ピンセットによる力学測定を検討する.
(4) キャピラリー管の中でのダブルエマルションやベシクルの流動挙動の可視化を目指す.壁からの距離の測定など,流動挙動の定量化を目指す.ダブルエマルションやベシクルの大きさ,周囲の流体の物性により流動挙動が変化する様子を調べたいと考えている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 光ピンセットを用いた粘弾性溶液の粘度測定2017

    • 著者名/発表者名
      日出間るり,浅田真寿,鈴木洋,菰田悦之,鈴木航祐
    • 学会等名
      第65回レオロジー討論会

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公開日: 2018-12-17  

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