研究課題
絶縁体中に磁性ナノ粒子を分散させた磁気ナノグラニュラーは、室温にて磁気誘電効果を示すことから、近年、次世代の超高感度磁気センサー・高周波インピーダンスチューナブルデバイスとして大きな注目を集めている。しかしながら、その誘電率変化は最高でも数%程度となっており、応用上十分な感度を有していない。そこで、本研究課題では、新たな磁気誘電材料としてペロブスカイト型磁気ナノグラニュラーを提案し、本材料において光誘起型巨大磁気誘電効果の発現を目指す。本研究課題の推進は、光学、磁性(特にスピントロニクス)、及び誘電性が互いに融合した新たな学際領域を創出させると同時に、次世代高性能磁気センサー・高周波デバイスの実現に向けた新たな設計指針を導くと期待できる。本研究目標を達成するため、昨年度は、光誘起型磁気誘電効果の測定システムを構築した。当該年度は、本測定システムを用いることで、Fe系磁気ナノグラニュラーの磁気インピーダンス特性を調べた。その結果、室温にて磁気誘電効果を観測することに成功した。また、磁気誘電効果の周波数特性は3種類の緩和時間を有するデバイ・フレーリッヒモデルに基づいた理論計算により定量的に説明できることがわかった。一方で、ペロブスカイト系光応答材料の光誘電特性を調べた結果、室温にて光誘電効果を観測することに成功した。これらの実験結果、及び計算結果をベースに、ペロブスカイト型磁気ナノグラニュラーにおける磁気誘電効果を理論解析した結果、巨大な誘電率変化が得られることが明らかになった。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 6件、 招待講演 5件)
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