非常に高い電界移動度や機械的特性、柔軟性から、グラフェンは次世代電子デバイス材料として注目されている。本研究では、グラフェンの合成時に炭素の同位体である炭素13を任意に導入し、面内に異なる同位体の界面を作製することで、新しい機能を有するデバイスの作製を試みた。炭素13の導入によりグラフェン面内の電気伝導および熱伝導に異方性をもたせることで、非対角熱電効果を起源とした熱起電圧の発現を確認することに成功した。同位体界面の傾斜角度やデバイスのアスペクト比を変化させることで熱起電圧は変化し、数値計算とあわせ、発生した熱起電圧が非対角熱電効果によるものであると結論づけた。
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