研究課題
生体観測やイメージングのために緑色蛍光タンパク質(GFP)をはじめとする蛍光タンパク質が使用されてきたが蛍光顕微鏡下での回折限界から約200nm以下の領域の細胞を弁別することは困難であった。これを克服するために(1)量子ドット又は(2)プラズモンナノ粒子等を細胞内部に配置し生体のラベリングに用い主に蛍光顕微鏡下で解像度を向上させた観測が一般的である。しかしながら蛍光顕微鏡下での観測はその解像度にも限界があり量子ドットにおいてもその蛍光波長範囲は広く(100nm程度)、細胞内部を観測する際に細胞からの蛍光が重畳する。したがって、現在の方法ではその蛍光の解像度の比較的拡大、蛍光の定量的評価、安定性及び再現性において解決すべき多くの問題を有している。これを克服するために緑色蛍光タンパク質を導入した球状の疑似細胞を使用して生体レーザ発振を実証する。マイクロ共振器内部に緑色蛍光微粒子を導入するためにリポソームを使用して実験を行った。脂質二重層からなる閉鎖小胞であるリポソームは生体膜モデルなど利用されてきた。またリポソームは細胞を構成する有機物の中で細胞膜や生体膜の構成成分であるリン脂質を用いて水中で作製可能なカプセルであり、真球に近い形状とすることができる。リポソーム内部に緑色蛍微粒子を容易に導入できるためマイクロ共振器型生体レーザに適したものであることを見いだした。波長488nmレーザを用いて本リポソームに照射しリポソーム疑似細胞からの緑色蛍光測定を行った。
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Biosensors and Bioelectronics
巻: 148 ページ: 111817~111817
10.1016/j.bios.2019.111817