ナノメートルサイズの磁気微粒子を作製し、その微粒子を質量分析MALDI-TOF-MSシステムのマトリックスとして機能するか否かを検討した。鉄の酸化物を主とした試料の他、光触媒にヒントを得てチタン酸化物TiO2にアミノ基を修飾した機能性ナノ微粒子を作製した。作製したナノ微粒子は優れたイオン化支援機能を持ち、従来はスペクトル取得が困難とされていた、低分子物質をも検出可能であることが明らかになった。標準的な検体に対しても、市販のマトリックスと比較して、高い分解能で検出することができた。膵がんに関連する糖質(GalCer)や、肝臓病の原因の1つと考えられる物質も検出することができた。
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