水面分子科学という新分野の開拓を目指して、そのために不可欠な新規計測法を提案できたことに学術的意義がある。水面を対象とする実験系はヴァリエーションに優れる。分子の供給が溶液中からも行われること、溶媒の液性の制御方法に多様性があることは、真空系での実験には無い特徴である。最もありふれた不均一場である水面を対象とした新しい化学の領域は、環境科学の発展につながるという社会的意義がある。水面選択的な観測能と高感度を前提条件として、比較的小さな芳香族化合物も観測対象にできる汎用性も併せ持つ計測手法として、紫外可視蛍光スペクトルの偏光面選択的な観測が可能である共焦点レーザー分光顕微鏡を開発した。
|