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2017 年度 実施状況報告書

疾患発症・進行予測に向けた有機薄膜FETによるヒストン化学修飾解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K19145
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

栗田 僚二  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (50415676)

研究分担者 冨田 峻介  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (50726817)
南 豪  東京大学, 生産技術研究所, 講師 (70731834)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワード有機FET / ヒストン
研究実績の概要

本申請課題は、多彩なヒストンの化学修飾を生体分子間相互作用として解析するため、有機薄膜FETデバイスの開発を行いエピジェネティクスセンサとして分子生物学や疾病診断、発症・進行予測ツールとしての可能性を見出すことである。抗ヒストン抗体による免疫化学的なアプローチに基づく各種ヒストン修飾の解析を行うためのFETデバイスの開発に取りかかった。一般的に有機トランジスタは水の影響を受けやすく、水中でのセンシングが必須となるバイオセンサ応用では抗原抗体反応部位に工夫が必要となる。そこで、水溶液中での生体分子間相互作用においても安定に信号を取得可能な延長ゲート型電極構造を採用することとした。加えて、無機FETトランジスタも同時にセットアップを行っている。これは、作成したデバイスの動作確認と有機FETの特性比較のためである。
抗体を固定化した有機FETが測定対象となるヒストンを捕捉した場合、しきい値電圧やドレイン電流値の変化するため、これらのパラメータを使ってヒストン捕捉量を測定することが可能であると考えている。これらの測定対象となるヒストンの修飾状況を調査し、当該研究に用いることが出来そうな抗体の選定を行い、H3K4me1~3, H3K9ac, H3K9me2~3, H3K14ac, H3K27ac, H3K27me1, H3K27me3, H3S10ph, H3S28phを用いることとした。加えて、実験に用いる各種ガン細胞の培養を開始した。さらに培地中成分の多変量解析として、タンパク質の定性ならびに半定量実験をおこない、ヒストン修飾への足がかりとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね申請書に記載したとおりに推移しており、上記評価区分とした。有機FETでの評価が本申請課題での最終目標ではあるが、安定した従来の無機FETでの評価もあわせて実施することが研究の加速や信頼性向上に繋がると考え、両者の実験を平行して実施することとした。

今後の研究の推進方策

先ずは、エピジェネティックな修飾変化に関して報告例の多いがん細胞のヒストン修飾について測定と解析をおこなう。HCT116、A549、MG63などからヒストン抽出を行い、開発したデバイスを用いることで、がん細胞間でのヒストン修飾の違いについて解析を行う予定である。なお、H30年度より研究分担者を1名追加することで、本申請課題を加速させたく現在申請中である(5/1現在)。これは、FETデバイスの専門家が研究代表者の研究室に新規採用されたためであり、本申請課題でのデバイス開発が加速される。

次年度使用額が生じた理由

本申請課題で開発する有機FETの特性評価をするため、従来の無機FET装置の導入を検討したが、その機器選定に時間がかかり、年度内での納期ができなかったためである。当該装置の導入にかかる費用に関し、次年度支出予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] ナノバイオデバイス研究グループ

    • URL

      https://unit.aist.go.jp/bmd/biomed-nbd/

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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