蛍光の遷移双極子モーメントが小さい新規光学活性分子を合成し発光収率および円偏光発光特性を中心とする光物性を評価した。最高占有軌道と最低非占有軌道の間に光学活性炭素を配置した分子の中には、円偏光発光の二色性因子の絶対値(|g|)が分散状態では1×10-3近傍に留まるが、結晶化薄膜状態では10-2の中盤の|g|値を示す分子が存在することを見出した。またこれらキラル分子は分散状態から凝集結晶化における発光の消光特性が十分に抑制される結果、キラル分子の凝集薄膜としては大きな発光収率を示し、マイクロ秒の高速の遅延蛍光特性を示した。
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