酸素欠陥密度(電子濃度)を精密に制御したSrTiO3-δ粉末を合成し、その水素・酸素生成の光触媒活性が単位体積あたりの電子濃度10の17乗以上の領域で直線的に増加することを見出した。SrTiO3-δの表面にルテニウム錯体色素を吸着し、その発光寿命を調べることで、SrTiO3-δ表面における励起キャリアの捕捉効果を調べた。その結果、SrTiO3-δ中の酸素欠陥濃度の上昇によって光励起キャリアの捕捉が促進されることを明らかにした。さらには、励起状態の酸化電位の異なる複数のルテニウム錯体色素をプローブとした表面欠陥の調査法によって、欠陥が持つエネルギーレベルを特定することが出来ることも明らかにした。
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