研究実績の概要 |
H30年度は、H29年度の研究を踏まえ、以下の3項目を研究した1. 多孔質基板を用いたレーザー局所加熱法によるEu3+およびYb3+添加K2O-WO3-TeO2ガラス微小球の作製と光共振特製の評価:Eu3+添加ガラス微小球の作製を行うとともに、得られた微小球を光学顕微鏡下で励起し、発光スペクトルを観察した。ウィスパリングギャラリーモード(WGM)の観察できる、真球度の高い微小球の作製に成功した。研究費は、レーザー局所加熱装置のための光学部品購入・旅費に使用した 2. 気中溶融法によるTb2O3-Al2O3ガラス微小球の作製と磁気・光学特性の評価:気中溶融法によりこれまでガラス化が困難であったTb2O3-Al2O3ガラス微小球を作製し、Tb3+の4fスピンに起因する磁気光学効果を測定した。大量のTb3+イオンを導入できたことで、大きな磁気光学効果を示すガラスが作製できた。(成果はInternational Congress on Glasses(ICG)annual meetingで報告するとともにJ.Ceram.Soc.Jpnに原著論文として発表した)研究費は、気中溶融法のための消耗品購入・ガラス微小球の組成分析:依頼分析・論文投稿料・旅費(1, 2)に使用した 3.アレイ上に塗布した発光層の厚みが発光増強に及ぼす影響の調査 Alアレイ上の発光増に関して、膜厚を系統的に変化させ膜厚が発光増強に及ぼす影響を調査した。金属へのエネルギー移動が起こらず、Outcouplingによる発光増強がみられる、最適な発光層厚さがあることが分かった。研究費は、光学測定のための消耗品購入に使用した。(原著論文としてJOSABにて発表した)1年半の研究を通じ、最終目標とする指向性ある微小球レーザーの作製には至らなかったものの、微小球レーザの作製及びアレイ基板の作製と、最終目標に必要な要素の研究を行うことができた。今後研究を継続し、目標達成を試みる。
|