研究課題/領域番号 |
17K19182
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山田 幾也 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30378880)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 超高圧合成法 / 高圧ナノ合成 / 酸素発生触媒 / ペロブスカイト酸化物 |
研究実績の概要 |
研究代表者らによって、15万気圧・1000℃の超高圧高温条件で合成される四重ペロブスカイト型酸化物CaCu3Fe4O12が、酸素発生反応(OER)に対して既存材料を凌駕する高い触媒活性を有することが明らかとなった。これまで高圧合成法によって得られる化合物の触媒特性について調べた研究はほとんどなく、比表面積を測定した例も少ない。高圧合成法で得られる試料は通常1 m2/g以下の小さな比表面積しか有していないが、触媒活性を向上させた試料を得るには微粒化などのモルフォロジー制御が不可欠である。 本研究では高圧条件(数万~十万気圧以上)において合成される高活性の触媒材料に対して、微粒化・高比表面積化を行うための高圧ナノ合成法を開発し、通常の高圧合成で得られる試料よりも高い触媒活性を有する材料を得るための学理を構築することを目的とする。常圧合成試料に対して用いられているテンプレート法を活用した微粒化を試み、一定の粒子サイズ制御には成功しているが、当初目的とした高精度の制御を確立するには至っていない。そこで方針を変更し、通常の条件で得られた高圧合成試料に対して高圧室温での処理を施すことによって、処理前と比べて比表面積が5倍以上に増大することを見いだした。これまでの高圧合成研究では、高圧室温処理によって試料のモルフォロジーがどのように変化するのか、そして触媒特性がどの程度増大するのかという知見は得られていないため、高圧条件を活用した新たなモルフォロジー制御手法として重要な知見が得られたと言える。これまでに調べた限りでは、比表面積の増大に依存してほぼ線形にOER触媒活性が向上した化合物と、触媒活性に大きな変化が見られない化合物の2つのタイプの化合物が存在することが分かった。今後、詳細なキャラクタリゼーションを行うことで両者の違いの原因を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定したテンプレート法の適用限界が分かった一方で、室温高圧処理による微粒化という新しい高圧ナノ合成法を見いだすことに成功した。これらの課題が明らかになったことで、次年度の研究方針が確立した。
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今後の研究の推進方策 |
新たに見いだした室温高圧処理法で得られる試料について、結晶構造・モルフォロジー・触媒活性を系統的に詳しく調べることで、当初の研究目的である高圧ナノ合成法の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
高圧合成実験用の消耗品が、想定していたよりもやや少額で済んだため次年度使用額が生じた。次年度の研究において、そのまま高圧合成実験用消耗品として使用する予定である。
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