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2017 年度 実施状況報告書

細胞小器官の選択的分解に基づく神経変性疾患の治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 17K19190
研究機関東北大学

研究代表者

有本 博一  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (60262789)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワード細胞小器官 / 神経変性疾患
研究実績の概要

細胞小器官の機能不全は、老化や疾患の原因となる。なかでもミトコンドリアの機能不全は、細胞内のATP産生減少に加え、活性酸素の過剰産生によって、遺伝子や生体分子を傷害する。神経変性疾患の一部は、遺伝的理由もしくは老化によるミトコンドリア機能不全と関連が深い。一例として国内に13万人以上の患者があるとされるパーキンソン病を挙げることができる。
機能不全ミトコンドリアを選択的に分解除去できる手法を確立できれば、従来根本的治療法のなかった神経変性疾患の治療に大きく貢献できると考えて研究を実施した。
本年度は、研究実施計画にもとづき、培養細胞を用いた評価系の検討を行った。ミトコンドリア傷害を再現するin vitro系として、脱共役剤やロテノンなどを用いた。ミトコンドリア形状の変化や細胞死(アポトーシス)について、適切な実験条件を設定した。これらとは別に、ダウン症由来の繊維芽細胞を入手し、ミトコンドリアが高度に断片化していることを確認した。ダウン症由来細胞のミトコンドリア断片化は、先行研究からメトホルミンなどの化合物によって改善が見られることがわかっている。次年度以降は、これら薬剤をポジティブコントロールとして、本研究課題の化合物の効果を評価していく予定である。
また、機能不全ミトコンドリアを除去するための新規化合物の合成にも着手し、一部を特許出願した。
ミトコンドリア以外の細胞小器官を、本研究のアイデアで分解除去できるか確認するために、小胞体などに集積させるための各種ハロタグプラスミドの構築も行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実施計画通り、化合物評価系の準備を進めることができた。また、化合物合成にも着手し、特許出願につながる成果を得ることもできた。このことから、研究は順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

当初の研究実施計画どおりに進める。平成30年度は、さらに化合物合成を進め、用意した活性評価系を利用しながら化合物の選抜を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 選択的オートファジー分解を可能にする低分子化合物2018

    • 著者名/発表者名
      有本博一、高橋大輝、一刀かおり
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2018年度 大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 選択的オートファジー分解の低分子化合物による制御2017

    • 著者名/発表者名
      有本博一
    • 学会等名
      第44回 日本毒性学会学術集会
    • 招待講演
  • [産業財産権] 傷害を受けたミトコンドリアのオートファジー機構による分解剤2017

    • 発明者名
      有本博一、一刀かおり、高橋大輝、森山順
    • 権利者名
      国立大学法人 東北大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2017-135086

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公開日: 2021-12-27  

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