研究課題
R3Cリガーゼリボザイム(73ヌクレオチド)を部分的領域欠損して活性を失わせた49ヌクレオチドの変異体<A>、および、<A>とkissing-loopを形成する7ヌクレオチドからなるループ配列をもち、基質結合部位を持たないヘアピン状のRNAである<hairpin-ΔU>とを混合した際に、kissing相互作用を介して複合体が形成され、活性に必要な構造変化が誘因され、活性の復活が見られたことのメカニズムを更に追求した。蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)測定により、独立した小ヘアピンRNAでさえも、kissing相互作用の効果でコンフォーメーション変化をすることが明らかになった。kissing相互作用を介したトランス系でのRNAの構造変化と機能獲得は、リガーゼに限られずに、ヘアピンRNAから構造変化したRNAが、アミノアシルtRNA合成酵素によってアミノアシル化される現象も新たに発見した。「タンパク質の情報を直接RNAの情報に変換する“逆翻訳”系構築の試み」に関しては、まだ道半ばではあるが、この相互作用を利用して、ペプチドを認識させるRNAの構造変化を誘導できる可能性が見えてきた。これらの成果に関して、学術論文発表や学会発表を行った。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件)
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