人を対象とした創薬研究においては,リガンドの活性(構造変化)を光で制御した例は報告されていたが,それを植物ホルモンに適用した例はこれまでなかった。本研究で合成したLIAP/iLIAPは365 nmの光照射により90%以上がZ体(LIAP)となり,ABAと比較すると完全ではないものの,PYLの配座を活性型にするアゴニストとして機能した。また,Z体は自然条件下で徐々に安定型であるE体(iLIAP)に戻っていき,E体はPYLの配座を不活性型にするアンタゴニストとして作用した。これらの知見は,植物ホルモン受容体の活性を光によってON/OFF制御する技術基盤の構築に大きく貢献するものである。
|