「寿命がいかにして決まるのか?」は、現代生物学が解くべきテーマの1つであり、その解明は健康長寿社会を実現する上でも重要である。高等動物の寿命を理解するためには、まず細胞レベルで寿命を理解することが必須と考え分裂酵母をモデルに細胞寿命の解析を行い以下の新規成果を得た。(1)新規な寿命延長シグナルとして硫黄枯渇を見出した。(2)硫黄枯渇は寿命延長因子Ecl1の発現を誘導し、寿命を延ばすことを見出した。(3)硫黄枯渇はリボソームの発現をEcl1ファミリーに依存的に低下させ、これが寿命延長の理由であることを示唆した。これらの成果により、ヒトの健康長寿創薬の展開に向けて重要な知見を蓄積することができた。
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