• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

花成ホルモン誘導化合物の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K19229
研究機関名古屋大学

研究代表者

中道 範人  名古屋大学, 理学研究科(WPI), 特任准教授 (90513440)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2021-03-31
キーワード化合物 / 花成誘導 / 遺伝子発現 / 概日時計 / 植物 / シロイヌナズナ
研究実績の概要

引き続き、研究開始時に発見されていた花成誘導活性のあるプローブを用いた花成誘導化合物の標的生体分子の同定を進めているものの、化合物の標的となるタンパク質の決定には至っていない。
しかしながら、化合物処理後の遺伝子発現プロファイリングから、この化合物はある時計遺伝子に対して特に影響を与えることが判明した。この結果から、我々は、この時計遺伝子の発現に大きく影響を与える時計タンパク質が、化合物の作用経路として重要な役割を果たすという作業仮説を導いた。仮説を検証するために、in vivoでこの時計タンパク質の量や局在などを解析できる形質転換シロイヌナズナを作成した。作成した形質転換シロイヌナズナは、予想通りの分子量サイズのタグが付加した時計タンパク質が発現しており、またこのタンパクの過発現により時計が撹乱していた。したがって、この株では機能的な時計タンパク質が発現していた、すなわち実験に使えるものであることが分かった。
この適切な形質転換体に、化合物を処理したのちに、目的の時計タンパク質の存在量をウエスタンブロッティングで解析したところ、顕著な量的な変動があることが分かった。この量的な変化は、タンパク分解系である26Sプロテアソームの阻害剤の処理によって、大幅に緩和された。したがって、本化合物の作用経路として、この時計タンパク質の分解の制御が浮かび上がってきた。このように、遺伝子発現プロファイリングとその後の詳細な解析によって、化合物の作用機序の主要経路が明らかとなったと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The singularity response reveals entrainment properties of the plant circadian clock2021

    • 著者名/発表者名
      Masuda Kosaku、Tokuda Isao T.、Nakamichi Norihito、Fukuda Hirokazu
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 12 ページ: 846 (7pages)

    • DOI

      10.1038/s41467-021-21167-7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The Transcriptional Network in the Arabidopsis Circadian Clock System2020

    • 著者名/発表者名
      Nakamichi Norihito
    • 雑誌名

      Genes

      巻: 11 ページ: 1284 (13pages)

    • DOI

      10.3390/genes11111284

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 有用品種から紐解く植物の概日時計メカニズム2020

    • 著者名/発表者名
      中道範人
    • 雑誌名

      化学と生物

      巻: 58 ページ: 646-648

    • 査読あり
  • [学会発表] 時計撹乱化合物の作用機序2021

    • 著者名/発表者名
      中道範人, 松尾宏美, 大野梓, 前田明里, 佐藤綾人, 伊丹健一郎, 木下俊則, 山口潤一郎
    • 学会等名
      第62回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] シロイヌナズナの概日時計の温度補償性が減衰した変異体について2021

    • 著者名/発表者名
      前田明里, 松尾宏美, 木下俊則, 中道範人
    • 学会等名
      第62回日本植物生理学会年会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi