花成は植物の生活環の中において劇的な変化の1つであり、これにより植物は専ら光合成を目的とした個体の生長(栄養生長)から、次世代を残すための生殖生長へと生長相を転換させる。生殖生長への移行が環境変化に応答することは、着生した場で一生を送るという生活をする植物に特徴的で洗練された環境応答といえる。 本研究では生殖生長への移行(花成時期)を大きく変化させる人工化合物の主要な作用機序を解明できた。基礎科学として、光周性を制御する時計の分子機構に新たなメカニズムが潜んでいることを見出した。また応用的にも、この化合物の利用や化合物の作用点を理解した変異導入は新たな手法となると考えられる。
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