研究課題/領域番号 |
17K19233
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
掛谷 秀昭 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00270596)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 天然物化学 / ケミカルバイオロジー / 複合培養 / クリプティック遺伝子 / 生合成 |
研究実績の概要 |
近年、天然物医薬品探索の重要性・有用性が再認識されつつあるが、化学構造的にも生物活性的にも多様性を有する新規化合物群のさらなる創出・開発が希求されている。研究代表者らは現在までに、新規抗真菌物質5aTHQs類および抗生物質streptoaminals類は、異なる2種類の微生物(放線菌Streptomyces sp. HEK616および細菌Tsukamurella sp.)の複合培養によってのみ生産されること、希少放線菌Saccharothrix sp.がトリプトファンによりクリプティック生合成経路が活性化され、新規抗がん剤saccharothriolides類を生産することを見出している。そこで本研究課題では、下記の2つの研究項目を設定し研究を遂行した。 項目1. Streptomyces sp. HEK616とTsukamurella pulmonsis TP-B0596の複合培養におけるクリプティック遺伝子活性化機構の解析 Streptomyces sp. HEK616の詳細なドラフトゲノム解析を行い、5aTHQs類およびstreptoaminals類の生合成に関与する生合成遺伝子クラスター(ORF1~9)を同定した。さらに、より詳細な安定同位体標識実験により推定生合成機構の解析を行った。 項目2. 希少放線菌Saccharothrix sp. A1506が生産するsaccharothriolides類の生合成における不安定中間体の実証 Saccharothriolides類の生産培地におけるトリプトファン添加の有無等による不安定中間体のLC-MSによる検出条件の検討・確立、単離精製条件の検討等を行った。さらに、PDSS法(precursor-directed in situ synthesis法)により複数の新規saccharothriolides類の創製を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Streptomyces sp. HEK616の詳細なドラフトゲノム解析の結果、5aTHQs類およびstreptoaminals類の生合成遺伝子クラスターの同定に成功した。さらに、Sacchrothriolides類の推定不安定中間体のLC-MSによる検出条件を確立するとともに、PDSS法を用いて複数の新規saccharothriolides類の創製に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、2つの研究項目を設定し、本研究課題を遂行する。 項目1. Streptomyces sp. HEK616とTsukamurella pulmonsis TP-B0596の複合培養におけるクリプティック遺伝子活性化機構の解析 5aTHQs類の生合成遺伝子クラスター内の各ORFがコードする酵素群の機能解析を行うための各種の基質化合物、想定中間体化合物を設計・創製し、基質特異性を含めた酵素機能の解析等を行う。 項目2. 希少放線菌Saccharothrix sp. A1506が生産するsaccharothriolides類の生合成における不安定中間体の実証 確立した不安定中間体の単離精製を行い、saccharothriolides類の推定生合成中間体の実証を行うとともに、in situにおいて各種の求核試薬を用いて、PDSS法の検討を行い、PDSS法の汎用性の検討を行う。
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備考 |
(1)は、本研究代表者の主催研究室ホームページ。
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