研究課題/領域番号 |
17K19248
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
有田 正規 国立遺伝学研究所, 生命情報研究センター, 教授 (10356389)
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研究分担者 |
川島 武士 国立遺伝学研究所, 生命情報研究センター, 助教 (10378531)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 乳酸菌 / ビフィズス菌 / ゲノム |
研究実績の概要 |
DDBJおよびSRA遺伝子配列データベースよりLactobacillus gasseri合計75株を選び出し、ゲノムを再アセンブルした。そこからゲノム全体の類似度指標ANI比較により、ガセリ菌が二つのグループに分かれることを見出した。バクテリオシンの1種であるガセリシンT及びアシルホモセリンラクトン分解酵素(機能は推定)の遺伝子を保有するグループと、それらを持たないガセリの基準株ATCC33323を含むグループである。前者のグループから選びだした3株について共同研究者と生化学試験等を実施したところ、従来のガセリ株とは異なる糖の資化能力も見出した。ゲノムのみならず代謝能も異なるため、新種提案をパラガセリ菌という名前でおこなう予定である。 これとは別に、Bifidobacterium属の株52種をLactobacillus属の株178株と全ゲノム比較を試みた。属レベルでの比較には、それぞれの属に保存されるオーソログ遺伝子を割り出す必要がある。その手法として、オーソログ遺伝子の保存率を変化させながらCOGデータベースの遺伝子機能分類比が安定する安定点を属毎に割り出した。ビフィズス菌は92%、乳酸菌は97%に保存される遺伝子をコア遺伝子とするのが適切と判断できた。それに基づくと、ビフィズス菌はアミノ酸代謝や輸送などのコア遺伝子が多く、特に宿主との相互作用に関するコア遺伝子が多いことがわかった。 この解析を活かして、企業が実際に利用するプロバイオティクス・ビフィズス菌の遺伝子解析を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ビフィズス菌研究で有名なPaola Mattarelli研究室(ボローニャ大学)と連携して、比較ゲノム解析を実施することになった。総合研究大学院大学の支援を得て、学生が数ヶ月間同大学に短期留学できることになった。
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今後の研究の推進方策 |
ボローニャ大学、東京農業大学、畜産草地研究所などの共同研究者を通じて、ビフィズス菌や乳酸菌の基準ゲノム作り、国際標準作りを進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
韓国で開催された国際会議GIW/BIOINFO2017において学生が発表したが、その海外渡航費と論文のオープンアクセス投稿費用において、総研大のサポートが得られ、必要経費を支払う必要がなくなった。そのため学生がイタリアに留学する費用および現在準備中の投稿論文の出版費用として利用する予定である。
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