植物は様々な病原体を認識し、抵抗性を誘導するR遺伝子を多数持っている。このR遺伝子によってウイルス抵抗性が発揮される際に自発的な細胞死が起こる場合が多く知られており、細胞死がウイルスの封じ込めに寄与するとされるが、本研究では細胞死が起こる以前に細胞に感染するウイルスゲノム数(MOI)の低下が観察されることを明らかにした。また、R遺伝子による抵抗性が不完全に発揮された場合、自発的な細胞死により植物体全体が壊死してしまう場合がある。この現象は、自然界においては周囲の血縁度の高い個体への感染源になることを避ける自殺戦略として集団レベルで機能しうることを、数理モデルを用いたシミュレーションで示した。
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