本研究では、熱電対付きの熱流センサを用いて植物葉面の温度と熱流の変動を同時に測定し、植物の外部刺激に対する応答(病原体に対する植物の防御反応である細胞死誘導)を非破壊的に検出することが可能か検証した。密閉可能なアクリルケース内で外部環境の変化が小さい測定環境を整え、連続明条件で病原体(青枯病菌)を浸潤したタバコ葉で安定的に熱流と温度の変動を測定できるようになった。細胞死を誘導する葉面において、温度と熱流の変動パターンが同時に変動する特徴的な変動パターンが存在することを示唆するデータを得た。これらの結果は、熱流と温度の測定が植物の防御反応を判断する新しい解析方法となることを意味している。
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