研究課題/領域番号 |
17K19262
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
岡崎 桂一 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20270936)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 茎肥大 / コールラビ / 遺伝子発現 / QTL解析 |
研究実績の概要 |
本研究は,ブロッコリー×コールラビのF1にコールラビを戻し交雑したBC1-BC2集団を用いてコールラビの茎肥大制御遺伝子を同定することを目的としている。先行研究では,4つのQTL,REnBo1-REnBo4を同定していたが,本研究では,倍加半数体系統(DHライン)であるブロッコリーGCP04(GC)およびコールラビKr13-511(KDH)を用いて新たにBC1集団を作成して,QTL解析を実施した。その結果,REnBo1,REnBo2と染色体上の位置が同じであり,同一のQTLと考えられるものが2つ同定された。また, 新しいQTLが1つ同定されREnBo5と命名した。DHラインを用いた集団ではREnBo3,REnBo4は検出されなかった。REnBo2の候補遺伝子をマップベースクローンニングするため,REnBo2座がコールラビ型とブロッコリー型のヘテロで,残り3つのQTLではコールラビ由来の対立遺伝子をホモ接合で持つBC1個体を自家受粉することによって,BC1S1集団を育成し,現在,試験中である。コールラビKDHに見られ,ブロッコリーGCには見られない遺伝子の発現を同定するために,KDHとGCのそれぞれについて播種(DAS)後10日目(KDH_10,GC_10)および20日目(KDH_20,GC_20)の植物体の茎を用いてRNA-seq分析を行った。その結果は、オーキシンF-BOXタンパク質,オーキシン流出キャリア,ジベレリンの制御を受けるタンパク質などの遺伝子発現が変化しており,オーキシンやジベレリンレベルの上昇が,KDH_20における塊茎形成の開始に少なくとも部分的に関与し得ることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していたQTL解析,マップベースクローンニングのための材料育成を予定どおり実施できたほか,30-31年度に予定していた,茎での遺伝子発現解析を前倒しして,29年度にRNA-seq法で実施できたので,所期の目的を達成していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
29年度に引き続き,1)マップースクローンニンクによる肥大制御遺伝子の同定を行うため肥大制御遺伝子が存在するQTL近傍で組換えを持つ個体を選抜するとともに,この組換え 個体の表現型を調査し,QTL座乗領域を狭めて,候補遺伝子を絞り込む。2)ブコールラビとロッコリーの茎部で実施したRNA-seq解析では,29年度は播種後サンプル時期を10,20日に行ったが,30年度は播種後15日,25日のサンプルを取得して実施する。これらによって,候補遺伝子をさらに絞り込む。
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