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2018 年度 実施状況報告書

超劣性形質である植物栄養器官肥大(シンク化)機構の遺伝解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K19262
研究機関新潟大学

研究代表者

岡崎 桂一  新潟大学, 自然科学系, 教授 (20270936)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワードアブラナ科作物 / コールラビ / 茎肥大 / RNAーseq / QTL解析
研究実績の概要

本研究では,ブロッコリー×コールラビのF1にコールラビを交雑したBC1-BC2集団を用いてコールラビの茎肥大制御遺伝子を同定することを目的としている。本研究の2年目では,ブロッコリーとコールラビの茎部の生長解析を発芽後10-35日に実施した。ブロッコリーでは、発芽後10-35日の間に、茎の縦方向への伸長が著しかったが、コールラビでは、縦方向への伸長が抑制され、発芽後18日には、横方向の伸長(茎の肥大)が見られた。内部形態をパラフィン切片法で観察したところ、皮層では、コールラビにおいて細胞数がブロッコリーよりも多かったが、細胞サイズはブロッコリーとコールラビで大きな差は見られなかった。一方、髄では、コールラビにおいて、発芽後20日から細胞数と細胞サイズとも増大することが観察されたが、その傾向はブロッコリーで少なかった。
1年目に引き続き、ブロッコリーとコールラビの発芽後10日と20日の実生を用いて、RNA-seq解析で発現量が増減した転写物(DET)の解析を行った。RNA-seqで同定されたDETsのうち20個のDETsに対しqRT-PCRで再現性の確認をしたところ75%のDETsで再現性が見られた。Molecular function では、トランスポーターのカテゴリーにおいてコールラビで発現が上昇したDETsでは発芽後10日と20日とも集積が見られなかったが,ブロッコリーでは有意な集積が見られた。このことから、コールラビの肥大部では、ブロッコリーに比べてトランスポーターの働きが弱くなっていることが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

QTL解析およびRNA-seq解析が予定どおり進行しているが、マップベースクローンニング法のための材料が遅れており、肥大に関係する特定の遺伝子を同定するに至っていない。

今後の研究の推進方策

発現解析の結果KDHの肥大にはホルモンが大きく関わっていることが考えられるため、茎部の植物ホルモンの量を計測する。また、GO解析およびq-PCRの結果 transporter の機能を持つ遺伝子の発現が低くなっていることが分かったので、オーキシンのトランスポーターのPIN4およびしょ糖のトランスポーター遺伝子の細胞内局在性を in situ ハイブリダイゼーションで観察する。
29年度、30年度に育成したBC2S2およびBC3S2世代を用いて、肥大制御遺伝子が存在するQTL近傍に組換えを持つ個体を選抜し、肥大制御遺伝子の絞り込みを行う。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた研究材料の準備ができず、実験が次年度へ繰り越しになったため、予定していた消耗品を購入できず、執行残が生じた。執行残については、翌年度の研究の実施に必要な消耗品の購入に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] コールラビ茎肥大性のトランスクリプトーム解析2018

    • 著者名/発表者名
      ホック モジャミール、シェイ ダニエル、佐藤庄人、松村涼介、ドウラ モハメド ウド ドウラ、清水元樹、藤本龍、深井英吾、岡崎桂一
    • 学会等名
      日本育種学会第134回講演会
  • [学会発表] QTL mapping combined with transcriptome analysis using broccoli and kohlrabi2018

    • 著者名/発表者名
      Mozammel Hoque, Daniel J. Shea, Masato Sato, Ryosuke Matsumura, Mohamad Asad- ud-doullah, Motoki Shimizu, Ryo Fujimoto, Eigo Fukai, Keiichi Okazaki
    • 学会等名
      Brassica 2018, 21st Crucifer Genetics Conference
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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