研究課題
平成29年度に、青枯病菌OE1-1株のゲノムデータを基に作製した44個のヒスチジンセンサーカイネース遺伝子欠損株のクオラムセンシング能を解析した結果、phcS遺伝子欠損株(ΔphcS)、vsrA欠損株(ΔvsrA)およびRSc1601遺伝子(phcK遺伝子)欠損株(ΔphcK)のQS能が著しく低下することが明らかになった。さらに、レスポンスレギュレータ遺伝子欠損株の中で、phcQ遺伝子欠損株(ΔphcK)とRsc0672遺伝子(phcW遺伝子)欠損株(ΔphcW)のクオラムセンシング能が著しく低下した。そこで、phcS遺伝子とvsrA遺伝子の欠損株を作製するとともに、それぞれの欠損株のトランスクリプトームをRNA-seq法により解析し、それらの値をヒートマップ解析に供試した。さらに、それぞれの欠損株のクオラムセンシング能を、細胞凝集能、運動能、トマト植物での挙動およびトマト植物への病原性などのフェノタイプにより解析するとともに、クオラムセンシングにより産生が誘導される主要な菌体外多糖EPS Iとラルフラノンの産生能を解析した。その結果、青枯病菌OE1-1株のクオラムセンシングは、PhcS/VsrAとPhcKによるphcA遺伝子の発現制御およびPhcAによる遺伝子の発現制御からなるPhcA経路と、PhcBによるクオラムセンシングシグナルmethyl 3-hydroxymyristate産生とPhcS/VsrAによるmethyl 3-hydroxymyristate感知およびPhcQとPhcWによる遺伝子発現制御からなるPhcQ/PhcW経路から構成されており、クオラムセンシングによる病原力遺伝子の発現制御には、PhcA、PhcQおよびPhcWすべてが必要であると推察された。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
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